百合要素が普段より多いです
ごめんね
小説サイトの中身を参考にしたの
9月の終わり、
マキナは呟いていた。
「今年ももうじきハロウィンかぁ、今年はどんな騒ぎが起こるのやら」
「はろうぃーん…?」
早速調べてきた。
まずは、仮装をする。
次に、他人にお菓子を要求する。
魔法の言葉、「とりっく・おあ・とりーと」
お菓子をあげなかったら、悪戯をされてしまう…。
考えるよりも先に姉様の顔が頭に浮かんだ。
何よりも愛しい、お姉様の可愛い顔が。
どうせ彼女には、軽くあしらわれてしまうだろう。
しかし、知らなかったでは通りませんよ、悪戯されてくださいな…と迫るのも悪くない。
なんて素敵な計画なのだろう。
私は、調べた内容を見てみる。
「ふむ…仮装はお伽噺の登場人物やけも耳、西洋の空想の人物でもいいのか…」
なら、私のこのいつもの格好、レガーメ・バレットカーテンでも違和感はないはずだ。猫耳だし。
しかし、折角のこの機会だ。
とびっきりお洒落して、驚かせてやろう。
そうと決めた私は早速お姉様の部屋に向かった。
自然と笑みが零れてしまう私は、はたから見れば変な人だっただろうな。
お姉様や私の部屋のあるプリマヴェーラ邸A棟2階。ついこの間までは夏の暑さに文句を言うメイドたちの姿が見え、熱と湿気で楽器が痛むことを心配したセレナータの声が聞こえていたが今はその声は聞こえない。
さらさらとした涼し気な風が吹き、少し肌寒くも感じてしまう。
風は、枯れ葉の独特な匂いで鼻をくすぐる。庭に目を向けるといつも手入れされていた木々の葉が赤く色ついている。
コロニーの中とは思えないほどもうすっかり秋らしくなった。
メイドたちは、散った葉を忙しく掃いていた。庭中に落葉のじゅうたんが敷かれている様子を見れば、季節の移り変わりの速さを感じさせられる。
意を決した私は部屋のドアノブに手をかけた。
「失礼します、お姉様…」
突然の声に彼女は驚いたのか、勢いよく後ろを振り向く。
「リモーネ?そんなかしこまらなくていいっていつも言ってるじゃない……」
自分の姿を見ても何も言わないお姉様に、ほんの少しだけ寂しさを感じた。
「ま、待ってくださいお姉様、第一声がそれですか?その、他になにかお気づきになることは…」
ヴェルデは少し考えると、ああ、その格好のこと?珍しいの着てるね、と静かに言った。
「お姉様、お気に召さなかったのでしょうか…」
そう考えてしまう。
「でも似合ってていいと思うな!。今日はどうしたの?」
「えぇ、まぁそうですね…それでは…」
呼吸を整え、凛とした表情で話す。
リモーネは満面の笑みを浮かべて、両手を差し出す。
「お姉様、トリック・オア・トリートです!」
二人の間を沈黙が包む。
案の定、お姉様は不意を突かれた表情をする。
それを見て、表情はしょんぼりとするが心ではガッツポーズをとる。
「と、いうわけでお姉様、お菓子を」
「い、いやちょっと待って!?今日は何日か覚えてる?
今日は10月8日、まだ結構先よ!?」
ここで、自身の日付間違えに気づくが、続行。
「そうだとしてもです、頂けないのですか?」
その迫力に押され、思わず顔が引きつってしまうヴェルデ。
「え…ええ…だって今日じゃな」
「では、遠慮なく悪戯させていただきます…!」
刹那、リモーネはヴェルデを押し倒しその柔らかい唇を強引にこじ開けて、舌を忍ばせる。
ほんのり甘い唾液が、キスの終了と同時に口から糸を引く。
「え…えぇっ!?」
顔を真っ赤にして、意味がわからないという顔をしている。
対してリモーネは、ヴェルデの上に座り得意げに語る。
「今日がハロウィーンでないとしても、仮装をして、菓子を要求しもし、相手がくれなかったら、悪戯をする…そしてお姉様は私に菓子をくれなかった。それでしたら私のイタズラは当然の権利ですよね!」
我ながら横暴な理論だと思う。それでも私はお姉様抱きしめて、更に長い長いキスをした。
顔を染めて抵抗するお姉様だが、心なしか、力が弱い気がする。
「んんぅ!んんんーー!!」
これを見てにやりと笑い、和柄のワンピースに手を忍ばせようとしたその時。
ヴェルデが珍しく叫んだ。
「ち、ちょっとまって!」
それに驚き、私は動きを止めた。
しかし、それがいけなかった。
転送端末を手にしたヴェルデは自身の服装を元々自分のハロウィン用衣装として定着していた戦闘義体、レガーメ・ルナティックに変える。
「…よしっ!リモーネ!トリックオアトリート!」
赤黒のコートに際どいインナーの姿で先程私が口にした言葉を放つ。
しくじった。
逆パターンなんて考えてもいなかったので全然手持ちがない。
それに、露出度の高いルナティックを私のために着たと思うと愛おしすぎる。
「無いんだよね!それならいたずらをする権利は私にもあるよ!」
笑みを浮かべる彼女に恐れ、思わず飛び退く
その瞬間、お姉様が覆いかぶさる。
今度は私がなすがままにされる番だった。
「はぁ、まさかこんなことになるとはね……早とちりさん…」
こんなの…こんなのってないぞ…
私の心の声はきっと外に出ている。
「さてと、さっきシトラスがケーキを持ってきてくれたんだよ、一緒に食べよ!」
「…えぇ……」
完全に意気消沈だった。
「あーもー!リモーネ!変な企みが上手くいかなかったからってそんなしょぼくれないでよ!
…その…よ、夜…今夜…するから…おいで?」
「………!はい!お姉様!」
結果私はお姉様と同じ夜を過ごせることになったんだ、ちゃんと今度は本当のハロウィンに、もう一度、もう一度この手を使うのも面白いかもな…
ボクもトリックォァトリートぉおおぉ…ジャキ(額に銃口)…ぉぉぉ…。
はぁい…そのまま眼をつむって、黙って回れ右して帰りますよぉ…。ショビビン
あ。そうだ、マキナ印の甘ぁいキャンデー…置いてくよ♪
二人共…ハッピーハロウィ~ンってね♪