「う、ぅぅ、ん………
[あの後のことはね、あんまり良く覚えてないの。私、ソプラノちゃんがもう最後かもしれないって言った時、気づいたんだ、自分が犠牲となって私を逃がそうとしてたんだって。
あそこでなんで無理してでも引き止めなかったのかなって、今でもすごく後悔してるんだ。
でも私、あの時何も出来ずに逃げ出しちゃった。必死に道を走り抜けて街まで出てきた。
国一個またげば内戦なんで無かったみたいに平和だった。ごろつきくらいはいたけど、上手くかわして、逃げて、関わらなければ大丈夫だった。
何日も何日もその日暮らしで過ごしてた。路地裏で寝て、食べ物をどこかで探してきて、なんとかしながら食いつないでたの。
だけどそんな生活にも限界が来て、倒れちゃった……朦朧とする意識の中、1人の女の人が助けてくれたことは覚えてる、
おっきなお屋敷であったかいご飯を食べさせてくれて、お風呂にもいれさせてくれて、気に入ったのならここで暮らせばいいって、そう言ってくれたの。私、すっごく嬉しかった。
まともに喋れないし記憶もない私にここまで親切にしてくれて、とっても嬉しかった。
今度は私がアル姉さんの、みんなの役に立つ番、今の私はほかの人を守るために戦うアークスの少女、ウィスタリア・アムネセージ。
いつかソプラノちゃんとまた会いたいな、絶対死んだりなんてしないと思うから…]」
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